おかげさまでありがとうございます。

 今月は、諦めない心を大切にしていただきたいと思います。
 人生というのは計画通りに進むものではありません。もちろん、こうなりたいと思って努力する事は大切ですが、全てが計画通りという事はまずあり得ませんし、望む望まないに関わらず予想もしない事が起こるものです。それが生きる事の大変さでもあり、面白さでもあると思います。そんな中で、信仰とは有り難いなと私が思うのは、もうダメだろうという時に救いあげていただくような力を感じられる事です。こう言うと、大きな奇跡を望んで起死回生の一発を期待される方もおられますが、実際にはそういう事でもないように感じます。信仰だけに限らず全てにおいてだと思いますが、何事も重ねていくという事がとても大切です。基本的な事、大切な事を積み重ねて行く事によって、ふとした時にチャンスが生まれるのです。それを逃さず掴みとる事が人生を豊かなものにしていきます。
 先月はお彼岸月でもあり災いを受けやすい月であるとお伝えしていました。太魂院の中でも色々な災いの話を聞く月でありましたが、多くの方から大難が小難で済ませて頂けたと感謝の言葉を頂いております。4tトラックと自転車との事故で骨折だけで済んだという方。病院での検査で病気を見逃されかけていたのに病気を見つけてもらったという方。自宅で高齢の親御さんが転んで全く動けずに救急車を呼び、家族は骨折して寝たきりになるのかと思ったが打撲だけで済んで良くなってきているという方。大難が小難で済み良かったなと思いますが、これはこの方々が普段からしっかり供養をして罪障を消滅し功徳を積んで来られたからだと思います。そういった積み重ねが、チャンスとなって現れる事もあれば、難を逃れる事にもつながるのだと思います。雨垂れ石を穿つというように、小さな事をコツコツと積み重ねる事が大きな事を成し遂げる要因となるのだと思います。どんな事でも基本を大切にし、コツコツと積み重ねてください。同じようなことばっかり意味あるのかなと思う時や、年齢を気にしてもうあかんなあと思う事もあるかもしれませんが、そんな後ろ向きな心に負けず、諦めない心で人生を切り開いていただきたいと思います。必ずそこにチャンスが巡ってきます。良くも悪くも明日の自分を作るのは今日の自分です。どんな時でも諦めない心で、基本に立ち返って積み重ねていっていただきたいと思います。

 おかげさまでありがとうございます。

合掌

浅田 芳順

(令和七年十月一日 法話より)