おかげさまでありがとうございます。

 今月は、何事にも動じないように心がけていただきたいと思います。
 生きていると、良きにつけ悪きにつけ色々な事が起こります。その時に心が揺さぶられるのはごく自然な事ですし、それに伴って生じる喜怒哀楽を否定するつもりは全くありません。しかし、起こった事に心が囚われ、いつまでもくよくよと悲観的に捉えたり、パニックに陥って平常心を失ったりするのは、絶対にいい結果を生みません。何か大きな事があって心揺さぶられても、出来るだけ早く平常心を取り戻す事が非常に大切だと思います。
 では、どうすれば何事にも動じずにいられるのか?これは、神を崇めきる心と感謝の心が必要だと思います。どんな厳しい状況でも、神を崇めきり、そのお導きを信じきる事で、揺れ動く心を落ち着かせる事ができます。また大きな苦を与えられても、大きなものを失ったとしても、その時に与えられているものに最大限に感謝する事で、その苦難を乗り越えられます。この時に気をつけなければいけないのは、口先だけの感謝で誤魔化さないことです。大難が小難で済んで有り難いという言い方がありますが、本当に心の底からそう思っておられる方は結構だと思います。でも、どこまでそう思っているかよくわからない方が、都合よくこういう言い方で感謝の言葉を述べて、本来反省すべき点から目を逸らしているなと感じられる事もあります。それでは何も変わりません。せっかく自分を見つめ直す機会を与えていただいたのだから、反省すべきところは反省しなければなりません。しかし、いつまでもそれに心囚われていても何の意味もありませんから、反省すべき所を反省したら、より神を崇め、より感謝して、またそこから進んでいけば良いのだと思います。
 逆の場合も言えます。ものすごく良いことがあった時に浮かれてしまうのは、それもまた動じているのです。神を崇める心を忘れ自分の力で成し得たと自惚れ、神の御加護への感謝を忘れるから、そのような事になるのです。喜びを持っていただくのは結構な事だと思います。でも、喜びを持つのと浮かれるのは全く別の事です。喜怒哀楽は人間らしい感情であり、それがあるのは当たり前ですが、どのような時にも、神を崇めきり感謝の心を持つ事を大切にしてください。そうすることで、大波小波を乗り越え、長い目でみたら右肩上がりの幸せな人生を歩めるのです。一つの事に一喜一憂するのではなく、全ては人智を超えた神のお導きの中にある事を忘れずに、神を崇めきっていただき、感謝して日々精進していただきたいと思います。

 おかげさまでありがとうございます。

合掌

浅田 芳順

(令和六年五月一日 法話より)