おかげさまでありがとうございます。

 今月は、「ピンチをチャンスに変えよ」です。
 人間が一番底力を見せるのは、ピンチの時です。もう後ろがないという時に、普段からは想像もしないような力を発揮する事があります。是非ともみなさんには、ピンチの折には、それを乗り越えてチャンスに変えていただきたいと思います。
 例えば、受験や就職で第一希望と縁が無かった時に、「そうじゃない方があなたにとって良かったんだよ」という慰めの言葉を聞く事があります。実は私、こういう言い方があまり好きではありません。違う道に進んだら必ず上手くいくなんて保証もないし、そもそも本人は憧れや切実な願いがあってそこを望んでいた訳で、その言葉で気持ちが楽になるものなのかなと思います。でも、現実としてそこには縁が無かったのなら、それは受け止めるしかありません。そして縁があった道で頑張る事によって、それが自分にとって最良の選択となるようにして行かなければなりません。後々に振り返って、もう一度人生やり直せるなら間違いなくこの道を選ぶという位のものになっている可能性だってあります。そうさせる力が信仰にはあると思っています。与えられた場所でしっかりと花を咲かせるために大切な事は、まずは神を崇めきることです。どんな時でも必ず神は私達を幸せに導いてくださるんだという信念を持つ事です。そして辛い時でも感謝を忘れないことです。
 例えとして受験や就職の話をしましたが、ピンチはあらゆる所に潜んでいます。例えば病気になって、それは誰が考えても良い事ではないのだけれど、その病気を通じて得たもの、ご縁、心の変化が、後々の人生を大きく良い方向に向かわすという経験をされた方もいらっしゃると思います。実際に信徒の中には、「病気になった事は苦しく辛い事だったけど、そのおかげで今の自分がある。」と語られる人は少なくありません。
 自分から買ってでも苦労しろなんて思いませんが、与えられたものは乗り越えていくのが信仰する者の務めでもあると思うし、そういう経験をしないと得られないものもあると思います。嬉しい事も辛く苦しい事も、全ては神からの有り難いお導きだと思い、神を崇めきる心で感謝を忘れずに日々精進していただきたいと思います。

 おかげさまでありがとうございます。

合掌

浅田 芳順

(令和七年十一月一日 法話より)